社長メッセージ お客様視点での店舗を展開し、「クルマのことならオートバックス」の実現を目指します。代表取締役 社長執行役員 湧田 節夫

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①2013年3月期の業績

売上高は前期比3.0%減少の2,302億円、営業利益は前期比7.1%減少の127億円、当期純利益は前期比9.7%減の76億円となりました。

 2013年3月期の経営環境は、政府によるエコカー補助金制度により軽自動車やハイブリット車などを中心に新車販売台数が増加し、これに伴いカー用品全般において需要が拡大しました。また、補助金制度終了後も全国的な寒波に加え、関東地方にも降雪があったことなどにより、スタッドレスタイヤやタイヤチェーンなどの需要が堅調に推移しました。一方で2011年の地上波デジタル放送への移行に伴うカーナビゲーションや車載用チューナーの需要増の反動、カーナビゲーションの売れ筋価格帯の変化やカーディーラーも含めた競争激化などによるカーナビゲーションの急激な単価下落が発生しました。

 このような経営環境のなか、当社グループは「店舗収益と市場シェアの向上」を事業戦略の柱とする「オートバックス 2010 中期経営計画」に沿った施策を実行しました。「カー用品販売」については、エコカー補助金制度に合わせた車種別の販売施策を強化しました。各店舗においてスタッドレスタイヤやホイールの品揃えを充実させ、セット販売など、お客様の買いやすさを追求しました。この結果、タイヤ、ホイール、車内アクセサリー、洗車用品などの売上が好調に推移しました。しかしながら、カーナビゲーションをはじめとするカーエレクトロニクスにおいては、市場の変化の速さに対応できず、カー用品全体の売上は前期比減少となりました。一方で、「車検・整備」は、4月より車検コンタクトセンターを本格稼動させ、電話やWebを用いて拡販に積極的に取り組んだことにより、車検実施台数は前期比7.1%増の約57万3千台となりました。また、高度な板金技術をもつ板金集中センターを3拠点開設したことなどにより、板金・塗装の売り上げが増加しました。「車販売・買取」については、前期の反動もあり中古車の流通業者向けの販売台数は減少したものの、カーズ加盟店舗が前期末の175店舗から244店舗に増加したことなどにより、前期比2.9%増の約18,400台となりました。

 このような取り組みの結果、当社グループの売上高は、前期比3.0%減少の2,302億円となり、営業利益は、販売費および一般管理費の削減に努めたものの、前期比7.1%減少の127億円となりました。当期純利益は、米国における訴訟の和解契約に基づき、北米事業からの撤退に伴う損失として見積もっていた金額との差額1億円を計上したものの、投資有価証券売却損の計上や法人税率の負担率の増加などにより、前期比9.7%減の76億円となりました。

②「オートバックス 2010 中期経営計画」の進捗

売場改革・人材とオペレーション改革・市場シェア向上・海外事業展開等の成長戦略を進捗させてきました。

 「オートバックス 2010 中期経営計画」の柱の一つである店舗収益向上策の施策である「売場改革」では、多くの店舗で中央ゴンドラの売上や客数において改善しました。しかしながらその改善状況にはバラツキも見えており、改善幅の小さい店舗については、引き続き検証を行い、改善を加えながら対策を継続しました。 また、当期よりスーパーオートバックスの売場改革にも着手し、強みを生かした売場展開や競合店舗との差別化を図るため、個店別の顧客属性やエリア特性を考慮した改革を進めています。

 「人材とオペレーション改革」においては、接遇研修を継続するとともに、店長のマネジメント力の向上を図るため、全店舗の店長に対して「戦略力強化研修」を実施しました。また、この研修の対象を副店長まで広げ、店舗幹部のマネジメント力強化を図っています。

 「市場シェア向上策」の一つの施策である「新規出店」については、当初計画の30店舗の出店を行いました。カー用品店がない空白商圏や店舗間の隙間商圏など、これまでにあまり出店していなかった地域への出店を積極的に推進しています。

 「海外事業」は、中国において1店舗の出店と3店舗の退店、マレーシアと台湾において各1店舗の出店を行い、各地域でのさらなる店舗収益向上に努めました。今後も成長の著しいASEAN地域を中心に事業展開を検討し、将来の更なる収益拡大機会の獲得を目指し、長期的な視点での検証を進めています。

 「オートバックス 2010 中期経営計画の進捗」の詳細は、特集:成長戦略をご参照ください。

③株主還元

株主還元強化の方針に基づき、1株当たり前期比11円増配の156円の年間配当と7,193百万円の自己株式を取得しました。

 当社グループは、株主還元を経営の最重要課題の一つとして考えています。「オートバックス 2010 中期経営計画」の成長戦略を推進していく上で、新規出店など投資を行っていきますが、株主還元は継続的に実施するとともに、効率性と安全性を両立したバランスシートを追求していきます。配当については、DOE(連結株主資本配当率)3%を目処にしていますが、株主還元強化の方針のもと、2013年3月期の1株当たり配当金は、前期と比べて11円増配の156円とし、DOEは3.4%となりました。また、2013年3月期は180万株、7,193百万円の自己株式の取得を実施し、保有していた金庫株についても500万株の消却を実施しました。

 また、株式の流動性を高め、投資家層の拡大を図ることを目的に1:3の株式分割を行いました。今後も配当だけではなく、さまざまな形で株主還元を強化していく考えです。

④2014年3月期の見通し

営業利益の目標は135億円、ROEの目標は5.8%です。オートバックス2010 中期経営計画の諸施策を着実に実行し、「クルマのことならオートバックス」の実現を目指します。

 2014年3月期の国内におけるカーアフターマーケットは、エコカー補助金制度に伴う新車販売増加の反動、カーナビゲーションの単価下落や円安などに伴うガソリン価格の高騰など依然として厳しい経営環境が続くものと予測しています。このような状況の中、商品としましては、カーナビゲーションの単価下落に伴う売上減少を補うため、特にタイヤ販売を強化し、これに加え、車検、車販売を拡大させていきます。そして、既存のオートバックス会員のお客様に対する再来店促進の取り組みや店舗周辺のお客様に近づく活動を強化することにより、1店舗ごとのシェアを向上させていきます。さらに、引き続き未出店地域に対する積極的な出店や、Eコマースの推進により、市場全体のシェアを向上させていきます。また、これらと並行して、国内店舗子会社の利益改善に注力していきます。

 2014年3月期は、「オートバックス 2010 中期経営計画」の最終年度となりますが、事業環境の想定以上の厳しさにより、営業利益目標160億円に対して135億円、ROE(連結株主資本当期純利益率)目標7.0%に対して5.8%を予測しています。数値目標の達成は難しいものの、「オートバックス 2010 中期経営計画」で掲げた施策を着実に実行し、個店力の強化とシェアの拡大を図り、「クルマのことならオートバックス」の実現を目指していきます。

⑤中期的な企業価値の向上に向けて

お客様に提供する価値をさらに高め、より一層ご支持いただくことにより、さらなる収益力の強化と市場シェアの拡大を実現してまいります。

 「オートバックス 2010 中期経営計画」は2014年3月期で終了します。次の戦略としましては、オートバックス事業の収益を最優先で拡大させるとともに、新たな事業機会も模索し、安定的かつ継続的な成長を目指してまいります。

 オートバックス事業におきましては、お客様に提供する価値をさらに高め、より一層ご支持いただくことにより、さらなる個店の収益力の強化と市場シェアの拡大を実現してまいります。また、事業環境の変化にスピードをもって対応し、将来の収益に貢献するため、国内外での新規事業にも積極的に取り組み、オートバックス事業との両輪で中長期的な企業成長を実現してまいります。

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