海外事業

事業基盤の強化で収益貢献へ

当社グループは、海外事業を中長期的に収益に貢献する事業と位置づけ、成長を続けるASEAN地域を中心に事業基盤の構築を進めています。 「小売・サービス事業」「卸売事業」を2つの柱に、現地の有力企業との資本・業務提携や合弁会社による運営を通じて、リスクを抑えつつ、スピード感を重視した施策を展開し、収益を拡大していきます。

取締役 常務執行役員 社長室担当 兼 海外事業企画担当 堀井勇吾

小売・サービス事業の収益力強化

地域特性に応じた店舗モデルの展開とサービス品質の向上に注力

海外のオートバックス店舗は、「きめ細かな品ぞろえ」と「取付ピットによるメンテナンスサービスの提供」を基本にしながらも、地域の顧客層やニーズに応じて独自の店舗モデルを展開することで、収益力を強化する方針です。
たとえば、国内同様に大型店を展開するフランスでは、1台の車を長く使用する文化があり、市場も成熟するなかで、Eコマースの強化やサービス収入の拡大により、粗利率の向上を図っています。 一方で、経済成長に応じて自動車関連市場が拡大するタイ、マレーシアでは、認知度を高め、新規のお客様を積極的に獲得していくことが収益拡大のポイントとなります。 そこで、エリアドミナントの形成に向け、旗艦店を中心に小規模小商圏型店舗の出店を加速しています。
また、オートバックスブランドの浸透を図り、競合と差別化するうえで、JAPAN Qualityのピットサービスの確立も重要なテーマです。 品質の維持・向上に向けた標準化や教育を含む体制の構築に加え、ピットメニューの拡充や魅せるサービスの提供など、付加価値を高める取り組みを進めていきます。

卸売事業の展開

部品やカー用品の現地調達を強化し事業機会の拡大と原価低減を追求

近年、現地企業との業務提携や事業を通じたネットワークの拡大により、現地の調達先や小売・サービス業から卸売に関する相談が多く寄せられるようになり、卸売事業の機会が拡大しています。 当社グループは、国内オートバックス事業で培ったノウハウを生かし、卸売事業を立ち上げ、強化を図ることで、小売・サービス事業の出店スピードに依存しない収益獲得と取扱数量の拡大による商品原価の低減を通じた海外事業全体の収益改善に取り組んでいきます。
補修部品や消耗品などの部品関連においては、国際競争力のある商品を調達するとともに、現地パートナーの在庫、物流を活用した展開を進めます。 また、タイヤ、オイル、アクセサリー類などのカー用品の卸売は、現地向けのPB商品開発や専売品の調達など、日本国内への輸出も行う中国の貿易事業とも連携して行う考えです。 なお、卸売事業の一環として、2017年3月期、マレーシアのタイヤ卸売・小売の大手企業Kit Loongグループと資本・業務提携を締結しました。 今後も、資本・業務提携、M&Aも視野に事業の拡大を進めていきます。

ケースで見る海外のビジネスモデル

case1タイ旗艦店+小型店によるドミナント展開

2000年に初出店し、2006年に現地消費財大手のサハグループなどと合弁で、子会社S I A M AUTOBACSを設立して事業を推進しています。 首都バンコク・パタナカンの旗艦店を中心に、新興住宅街、ショッピングモールに隣接する場所に小規模小商圏型店舗を集中的に展開。 メンテナンス商品を中心に、日本ブランドのアクセサリー商品をそろえるなどして差別化を図っています。 2017年3月末現在直営8店舗となる店舗網は、今後10店舗以上の水準まで出店しドミナントを強化するとともに、現地の小売業者などへの商品の卸売も展開していく方針です。

case2インドネシア富裕層向け店舗の出店に加え、卸売を強化

2013年に設立した現地大手自動車関連企業グループ、インドモービルグループとの合弁会社で事業運営するインドネシアのオートバックスは、現地大手小売業のサリムグループがサブライセンス方式で店舗を出店・運営しています。 富裕層向けの小型で高級感のある店舗が特徴で、ショッピングモール内にアクセサリーを中心とするインショップ型店舗も展開し、2017年3月末現在5店舗を出店しています。 また、合弁会社を中核に卸売事業を積極展開しており、当社の日本ブランド商品のほか、 インドモービルグループのネットワークを生かして競争力のあるカー用品を調達し、オートバックス店舗やサリムグループが展開する小売店舗へ卸売を行い、事業を拡大していきます。

各国の状況
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